(一昨日の夜、表参道の帰り道...)
電車移動だったので、鶯谷駅に降り立ち、上野桜木の山を上がりました。
鉄道陸橋を渡ってすぐの、言問通り沿いの角にひっそりと佇む、
前々から気になって仕方なかったお店"おせん"さんに初訪問しました。

暖簾をくぐると、中から「いらっしゃ〜い」と妙齢の老婆(?)が2人、
出迎えてくれました。
「どちらが"おせんさん"なのだろう?」と考える間も与えず、
「お客さん来るのが遅いから酔っ払っちゃったよ」と
暖かく迎え入れてくれました(笑)。
カウンターの特等席には、猫の"ちぃちゃん"が陣取っていましたので

その横に座り、まずは熱燗を注文。
お通しが出された後におでんを注文しました。
はんぺん・玉子・ちくわぶ...などなど。
すると、お店の人だと思っていた実は友達!!の"おすぎさん"が、
店の奥にいる"おせんさん"に「はんぺんないわよ!!」と一声。

「はんぺんは煮過ぎちゃダメだから、今持ってくよ」と
奥からおせんさんの声が帰ってきました。
程なく"はんぺん"を持ってきながらおせんさんが...
「男はみんな、はんぺんだの玉子だの白いもんが好きなんだよね」
と、さもありなん何やら意味ありげに登場☆★☆★。

おでんを肴に、酒が進みます♪。

おせんさんは大正生まれで、御年なんと87歳!!。
それでも毎晩、大好きな日本酒を五合は空けているそうです。
吉原の傍で生まれ育ち、寄席に出ていた、もうとうに亡くなられた
ご主人の世話を焼きながら、この地にお店を開いて50年になるとか!!。

「お兄さん、吉原行った事あるかい?。今のソープなんとかじゃなくて」
といきなり突っ込まれ、「そんな歳じゃないですよ!!」とお茶を
濁しながら(汗)答えると...
「吉原行こうか女郎買おか、かかに話して怒られた〜♪」
(うろ覚えですが)
粋な小唄を交えながら、吉原の古き時代の話をしてくれました。

おせんさん自身も三味線の師匠という芸人一家で、根岸の名門噺家
のみならず、笑点の大喜利に出ている噺家さんなども、ここ"おせん"を
贔屓にしているとか。
もっとも「アタシの前じゃみんなシュンとしてるけどね」と...

この店の佇まいと、この古き東京の生き字引"おせんさん"に惹かれて、
皆さん足繁く通ってくるんですね♪。
「名前何て言うんだい?。じゃあ〜みっちゃんか!覚えたよ!!」
おせんさんは酔っ払っていたので、たぶん覚えてないでしょうが、
また伺おうと思っています。
おせんさんの後ろ髪を結ったリボンに、なんだかキュンとなりました♪。

