前記まで、従来のセル生産の前提を述べてきましたが、ここからは
発展を遂げたセル生産方式に進化型をお話しさせていただきます。
セル生産の場合でも、初日の出来高は予測値を記録する事は難しく、
習熟が出てくるのは翌日となります。
その場合、習熟時間を短縮する事と初日からの生産数量の確保の為に、
テープ貼りや切り替え地縫いフラップ作り等を、前工程として準備します。
この作業には、工程負荷を減らした生産管理者と、入社して日が浅い
スタッフが従事します。
弊社の育成プログラムは、まずは初工程からスタートしてパーツ作りを
担当(ミシンとアイロンを併用)して、習熟度を鑑みて次第に担当する工程を
増やして、デザインによっては丸縫いを任せていきます。
次のステップとして...
数量のついた量産ロットが来た場合は、前工程班とアッセンブリ―を
3〜4人グループで2個班編成します。
持ち工程を約1/3に圧縮する事で、同一作業をセル時の3倍生産します。
それにより移動時間の短縮とリズムアップがもたらされ、生産性が向上します。
都内の有力工場では、3〜4人のグループ生産が主流となっていますが、
弊社の場合は生産単位が個(セル)である為に、瞬時に統合〜単体といった
フレキシブルな生産体制が実現出来るようになりました。
最近では...
コレクション時のサンプル集中期間には、パターン作成から裁断〜縫製と
一度に数型同時進行する「ショットガンサンプル作成方式」を実施して、
量産進行に支障を来たさず短期間でサンプル作成が可能となりました。
このセル生産方式は、一朝一夕で出来上がるものではありませんが、
これからの生産方式としては必ず有効になると確信しています。
その時の為に、少しでもお役立ち出来れば・・・と今回長々と述べました。
ご参考になれば幸いです。
弊社は、「セル生産のさらなる進化発展」に向けて日々努力を続けます。