(昨日...)
APC-NETのマイフレ達と、足立区/六町駅で集合しまして、花畑にある
「旭染工株式会社」さんを見学しました。
やぐらには、午前中に染め上がった反物が風にそよいでいます。
阿部晴吉社長に引率いただいて、工場見学がスタートします。
まずは工場内に入ります...
屋上に上がると青空の下、浄化された綾瀬川の流れも鮮やかに、
やぐらでの取り込み作業を真近に見学します。
「やぐら」は「ダテ」と呼ばれるそうで、やぐらに上る姿を粋な伊達男から由来したとか...
1反が12mなので、半分にして6m以上の高さが必要とのコト。
(2階より再び工場内へ...)
天日干しした反物を、巻き取り機を使ってキズなどの検反をしながら
反物を巻き取っていきます。
巻き取り機の下には、1階まで貫通した穴が開いていました。。。
こちらも、皺伸ばしと検反作業をしています。
※1.後述しますが、全ての作業が分業化されています。。。
(1階に下りまして...)
"板場"と呼ばれる場所で、防染糊の型付け作業を見学。。。
地面が砂なのは、糊を付着させ易いというコトと、型付け作業後の反物
を置く際の衝撃緩和の理由があるとか。
他工場では、おが屑なども使用するそうです。
図案をした型紙を枠に張って、1枚1枚生地をセットしてヘラで防染糊を
伸ばし付けていきます。
1階の作業で、約20〜40枚分の型付けを重ねて作業します。
※2.作業の効率化・生産性の向上が図られています。。。
(隣に移動...)
こちらの工程は、染色作業です。
この製造工程は「注染」と呼ばれるもので、もともと薬缶(やかん)で
染料を注いでいたコトが、注染の名前の由来とか。
型付けされた生地を注染台に移動して、染色後に下から減圧して吸い取ります。
片面が終わったら、ひっくり返して裏面からも染色作業を行います。
最後の仕上げに、お湯を注いで発色を良くします。
(奥に移動して...)
こちらの洗い場では、水洗機を使って防染糊や余分な染料を洗い落します。
昔は、竹竿を使って川で洗い落していたそうです。
使用した型紙も洗って、再び利用を待ちます。
この型紙は、柿渋を用いて手漉き和紙を貼り合わせて作成するそうで、
繰り返しの永年使用に耐えうるとか...
こちらが、洗い落として色も鮮やかな手拭。
日本では大昔より、30〜40cm幅の木綿平織りの白生地に、染を施して
浴衣を作っていました。
浴衣は寝巻きとなり、そしてオシメさらには雑巾へと形態を変えながら
再利用されていましたが、生活様式の変化に伴い浴衣の需要は激減し、
東京・浜松・大阪の主要産地の染工場も淘汰され、東京では5〜6軒が
現存するのみとなったそうです。
(別棟の2階へ移動...)
再び綾瀬川を眺めて...
型紙置場と乾燥機
雨天時に使用します。
(質疑応答...)
浴衣に代わって手拭の需要が通年で増加し、また淘汰され生き残った
旭染工さんには、多くの若者も集うようになったそうです。
伝統的な技法を、分業という作業分担で生産効率を向上し、
多品種小ロットに対応して生き残っている工場でした。。。
お忙しいところ、ありがとうございました。