[本日9:00の血圧 153mmHg/103mmHg...諦めの境地]
(昨日)
新宿の文化学園で開催される、日本モデリスト協会
「第7回技術研修会」に向かいました。
(途中秋葉原にて...)
小腹が空いたので、本日の長丁場に備え飛び込みました。
注文したのは「ミニかき揚丼セット」♪
10数年前の営業マン時代を思い出します。。。
(12:40 文化学園到着)
会場の20階大ホールに向かいます。
今回のテーマは、
時を越えて今蘇るトラディッショナル
第1部 基調講演 「トラディショナルなアイテムの背景」
第2部 実演 「ピーコートの全て」
です。
【第1部 トラディッショナルなアイテムの背景】
講師・(有)石津事務所代表取締役 石津 祥介氏
石津祥介氏は、1960〜70年代に一世を風靡したVAN JACKETの創設者
故石津謙介氏の長男で、ずっとVANを支えていらっしゃる方です。
(以下、講演内容にさっと触れてみます)
「たかが洋服、されど...」
☆和服の復活
日本人は、服に対して理屈が多すぎます。その結果、数多くの技術・デザインが生み出されましたが、一番の戸惑いはその洋服を着る方の着こなしです。街を歩く人々のレベルが、世界でもトップレベルになってしまいました。
しかしその一方で、一番大事な呉服・和服を捨ててしまった特殊な民族でもあります。これは世界の一流国では見当たらない事ですし、これがこれからの日本の課題であると言えるでしょう。
その風潮の中でも、最近は若い女性が目立つ手法として、花火大会などの行事に浴衣を使い始めました。それも下はハイヒールを履いたり丈が短かったりと変化していますが、和服の復活と喜びたい事です。
伝統を大切にする...という事を文化を守る事と錯覚し、高級志向となって一般庶民から離れてしまった和服ですが、この傾向は歓迎したいものです。伝統業界からは目を背けられますが。
☆なぜオシャレをするのか
オシャレは、男女の性差があって誕生するものです。あるいは同性の中での競争心から生まれてきます。大昔から若者のファッションは大人から批判されますが、これに対しては[古い物差し]で批判しない事です。若者は、批判するとそこから活力が湧いてくるものなのです。
ファッションの出始めは、批判の度合いによってそのファッションが広がるか広がらないかが決まります。
☆時代がサイズを作っている
「正しいJKは前釦を留めた時に握りこぶしが1つ入るもの」とう父の教えがありました。但し、本当にサイズが合う服というのはないものです。洋服のサイズは流行りが左右し、時代がサイズを作っているのです。
これは外に見えるものの場合であり、フィットしているサイズは下着であり、こちらに関してはサイズに対して正確且つ厳しい要求が求められます。
常に標準となるもの(スタンダード)を「トラッド・トラディショナル」と位置付けますが、この標準に対して流行は太い・狭い・長い・短いと変化します。
☆女性服について
女性服は、男服の考え方に即した服と外した服に大きく二別されます。
即した服とは、同じような目的の為に着る服で、オフィスウェアに代表されるような自然と男服の伝統を引き継いでいます。
外した服とは、1人1人の個性に合わせる服であり[創作服]であると言えます。これは男服にはありません。
☆ユニクロに見受けられるスタンダード
ユニクロさんの商品群の中に、唯一VANの現場になかった服があります。これは[フリース]です。当時フリースという素材は存在していなかったからですが、老若男女を問わずに着れる服[フリース]は、日本で最もスタンダードな服だと言えます。ただスタンダードの確立にはもう少し年月を必要としますが。
父は、流行になって欲しくない、一般大衆に着てもらいたい服を作りたい...との思いから、当時アメリカで流行していた手法を取り入れたVAN JACKETを創設しました。ただ当時は、戦後の日本にベースが何もない時代でしたので、意に反して大流行してしまいましたが。
☆創業当時を振り返って
私が中学時代の昭和24〜25年代、住まいの1階の六畳間に職人さん達が入って1着ずつ服を作り始めました。その完成した服を、父は大阪の心斎橋あたりのお店に直接売りに行き、その売ったお金を持って順慶町の問屋街で生地を買って帰るという毎日でした。
[ノータックパンツ]の製作は、試行錯誤を繰り返し苦労しましたが、[ボタンダウンシャツ]に関しては、当時アメリカに輸出をしていたと山の工場に作成依頼をして事なきを得ました。
[VAN]の前は、[ケンタッキー]というブランド名でした。これは設立メンバー3名の中の高木さんのタカキと石津謙介のケンを合わせたもので(笑)、当時はまぁみんなそんなものでしたね(大笑い)。
☆服はどこへ
服作りは、裁断〜縫製という工程を経て完成しますが、近い将来には例えば「カタチの中に溶かして作るような服」であるとか、「スプレーで直接肌に付着させる服」などという縫製を必要としない服の技術が開発される事でしょう。そういう服が出現しても不思議ではありません。
最近の男服は、スタンダードを知らずに服を変化させています。女性
服に関しては、スタンダードはとっくの昔に離れてしまっています。その中でも、[自分だけが崩したくないスタンダードのある服]が、それぞれのデザイナーの考え・主張となって表れます。
男服の場合、ルーツをどこまで残すか、あるいは崩すか、という変え方の加減がデザイナーの勝負どころです。
★最後に...
私達には、日本の男服を工業製品にしてしまった責任がありますが、1点ずつ丁寧に作って売るという素地が、今、日本に再構築されないと日本の良さがなくなるという危機感を感じています。
工業化=マニュアル化された服は、日本で作る意味がありません。メンズ・レディース問わず、
[日本の中で作る意味のある服]
を是非作って下さい。
【講演後記】
講演も終盤に進んだ頃、「ボクの普段着をお見せします。
皆さんはプロの方々ですからここで着替えても平気ですよね。
じゃあ着替えますから」と、おもむろにパンツを脱ぎ始めて
ジーンズに履き替えました!!。
ビックリ!!。
とてもオシャレな方でした。
(続けて第2部は、明日アップします。本日午後から池袋に行って来ま〜す)
といっても実はモデリスト協会の懇親会でお目にかかっているんです。「通販の工場を探している」と言っていたのが私です。愛知県在住ですが、帰って来て翌日ホームページ初訪問してみたら、もう講習会の事がアップされていたので、びっくりしました。マメー!それから毎日見させてもらっています。
昔、弊社で手掛けたP社の通販のツライお話などさせていただきました。
でも...その夜のコト...記憶が薄いんです...帰巣本能に感謝したくらいですから。