12/6(木) 晴れ
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【素敵なケープが出来るまでB】今回は、
裁断編です。
まず2型同時に進行いたしますので、流れを簡単に説明します。
洋服が完成するまでの段階として...
T.先上げ(先行サンプル)作成&提出
↓
U.検討&修正
↓
V.量産進行&納品
と簡単に3段階に大別します。
今回依頼分の[ショートケープ]と[ケープコート]は、
追加生産なのでV.からの進行〜
[ケープトレンチ]は、新型なのでT.から進行となります。
【
追加2型のケープ】
@
型入れ>
1着分に要するメーター数(
用尺)を、生地幅の中に詰め込みます。
コスト削減が叫ばれている昨今、先様からは用尺はギチギチに
計算されてきますので、これと対決するのに四苦八苦する場合も
たまにあります。。。
A
延反>
自動延反機に用尺と必要枚数をセットして、延反を開始します。
(写真は接着芯を延反中〜)
B
粗裁ち(裁断)>
延反した生地の上にパターンをセットして裁断機でカットします。
生地変化がする場合や全面芯を貼るパーツは、正確裁断せずに
パターンの周りにゆとり量を付けて大きめに裁断します。
これを
粗裁ちと言います。
C
接着芯を貼る>
表地の強度を保ったりシルエットを形作る目的で、接着芯を貼ります。
表地の裏面に接着芯を乗せて、ローラー式接着プレス機に通します。
D
地のし>
全面芯を貼るパーツはBの作業で形状安定しますが、貼らないパーツは
製品になるまでのアイロン作業等で変化する場合があります。
前回の生地収縮試験の結果、生地に収縮が発生しましたので
全面芯を貼らないパーツにも同一条件の熱/圧力を加えます。
この作業を
地のしと言います。
E
パーツを揃える>
接着芯を貼ったり地のししたパーツを、地の目を通しながら重ねていきます。
表面を見ながら、キズなどの不良がないかどうか確認しながら重ねていきます。
通常の重ねは一方方向に重ねていきますが、毛足のある素材はズレてしまう為に
今回使用するカシミア混などは、1人ずつ中が表になるように組ませて重ねます。
(替カラーを重ねます)
但し、パーツによりましては左右非対称パーツがありますので、その場合は
間に他素材を用いて間に挟みます(「アンコを入れる」と言います)。
F
パターンをセットする>
重ねたパーツの上にパターンをセットします。
G
立体裁断(正裁ち)>
パターンをセットしたパーツを、立体裁断機(
バンドナイフ)で正裁ちします。
バンドナイフとは、電動糸ノコがデカくなったようなもので、バンド状の金属ナイフが
ドラムの中で高速回転して生地をカットする仕組みになっています。
正確な裁断精度が要求されますので、テーブルはエアーが吹き出て=
ちょうどゲーセンのエアーホッケーのようなエアーテーブルになっています。
厚手の生地でもスムースに操作可能となります。
合印などの印を入れて、裁断品が完成します。
【
新型のケープトレンチ】
今回の先上げサンプルは、ブラックウォッチを使用します。
@
型入れ>
延反テーブルに乗っかって撮影!!。
1人用尺は、3mを越えます。
上記A〜Dと同様の手順を経て...
E
針を刺して地の目を通す>
チェックなどの柄物素材は
柄合わせが必要となりますので、任意の基準ラインが
通るように針を刺してパーツを固定します。
柄物の場合、往々にして柄のピッチが異なったりしますので、量産進行の際には
全パーツに連番を打って番号同士を組み合わせて作成する...
という非常に手のかかる作業が付加されます。
F
正裁ち>
先上げサンプルは1枚なので、バンドナイフは使用せず...
裁断包丁でカッティングします!!。職人技です♪。※前回述べた正確な設計図に基づいて、正確な裁断を行います。
単純な話ですが、パターン通りの裁断品であればパターン通りに
縫えるのです。
その単純な話がとても難しいのです!!。硬い素材変化しないものならば
ここまで手を掛ける必要もありませんし、とっくに自動化されています。
一部[自動裁断(CAM)]で自動化されてはいますが、裁断全体が
自動化される事はこれからもまず無いでしょう。。。
縫製ならば、なおさらです。
次回は...いよいよ縫製編です。