2010年11月01日

薄手ウールのピリツキ対策

11/1(月)    今年のお酉様は2回


【最近取り組んだ素材/薄手のウール】

アイテムはタイトスカートですが、他社作成サンプルは案の定ピりついていました。

他社サンプル.JPG


先日密かに開催されたニ友会/技術研修会で、師匠より伝授された対策を講じる機会が訪れました。


■ とあるモノを湿布して〜縫製〜割アイロンをします。

割る.JPG

■ 糸も替えながら、時間経過で検証します。

・テトロン80番手使用 4h経過後 右/未湿布・左/湿布済

テトロン#80.JPG

・スパフィラ80番手使用 4h経過後 右/未湿布・左/湿布済

ハイパー糸#80.JPG

その差は歴然としています。

■ 検証結果に基づいて先上げサンプルを作成

完成.JPG

提出後、数日経過しても"雨の日でも"ピリツキ"は発生しませんでした。


薄手のウールが有する素材特性に対し、昔の職人さんは当たり前のように対策を講じていたようです。
現在の空調が完備された工場内作業ではこの対策は非常に難しく、ワタシの知るところでは
国内でも数社しか対応出来ていません。
(※但し、中国の紳士服工場では実行されているようですが...)

簡易対策ですが、相当な効果がありました。。。

カッシミー.JPG


ラベル:ピリツキ
posted by ミズミズ at 00:50| Comment(2) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月06日

芯接着試験

3/6(土)    桜咲いていました


唐突ですが...

"モアレ"が発生しました。

シルクサテンの生地に、全面芯をローラー式接着プレス機で接着する際に
よく起きる症状なのですが、接着後に生地にクッキリと横段が出るコトを、
"モアレ"と言います。

この言葉は、いろいろな場面で使用されますが、繊維におきましては
このようなシルク系生地の、横糸と縦糸の関係に起因して、
熱収縮により紋様が発生する現象のコトを指します。


芯地に記載している接着条件は...
温度: 130度
圧力: 1kg/u
速度: 7秒

100303_0922~0001.jpg

この条件下で、
対処法[1]
離けい紙に挟んで縦方向でプレス機に入れる。

100303_0933~縦入れ.jpg

すると、このような横段がクッキリ出ます。

次に
対処法[2]
同じく離けい紙に挟んで、横方向に入れる。

100303_0933~横入れ.jpg

縦方向に入れた時よりは、横段が薄くはなりましが発生します。

続いて
対処法[3]
接着条件を
温度: 110度
圧力: オープン(0)
速度: 7秒(そのまま)
に変更して、横入れします。

100303_0934~正常.jpg

モアレの発生は、解消されました。



※芯接着後に生地をバイヤス方向に引っ張って、剥離しないか確かめます。

手前から
縦入れ→横入れ→接着条件変更 となります。

100303_0935~縦~横~正常.jpg

これでも解消しない場合は...

平プレス機で対応しますが、弊社は既にその機械を有していませんので、
最終手段としては都内某所にある"巨大な平プレス機"をお借りします。


何をするにも、細かい配慮・工夫が必要です。

ご参考までに。。。
ラベル:モアレ
posted by ミズミズ at 06:24| Comment(0) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月15日

セル生産の発展型について[本編]

2/15(月)    本日もバレンタインは有効日

前記まで、従来のセル生産の前提を述べてきましたが、ここからは
発展を遂げたセル生産方式に進化型をお話しさせていただきます。

セル生産の場合でも、初日の出来高は予測値を記録する事は難しく、
習熟が出てくるのは翌日となります。
その場合、習熟時間を短縮する事と初日からの生産数量の確保の為に、
テープ貼りや切り替え地縫いフラップ作り等を、前工程として準備します。
この作業には、工程負荷を減らした生産管理者と、入社して日が浅い
スタッフが従事します。

弊社の育成プログラムは、まずは初工程からスタートしてパーツ作りを
担当(ミシンとアイロンを併用)して、習熟度を鑑みて次第に担当する工程を
増やして、デザインによっては丸縫いを任せていきます。

次のステップとして...
数量のついた量産ロットが来た場合は、前工程班とアッセンブリ―を
3〜4人グループで2個班編成します。
持ち工程を約1/3に圧縮する事で、同一作業をセル時の3倍生産します。
それにより移動時間の短縮とリズムアップがもたらされ、生産性が向上します。

都内の有力工場では、3〜4人のグループ生産が主流となっていますが、
弊社の場合は生産単位が個(セル)である為に、瞬時に統合〜単体といった
フレキシブルな生産体制が実現出来るようになりました。

最近では...
コレクション時のサンプル集中期間には、パターン作成から裁断〜縫製と
一度に数型同時進行する「ショットガンサンプル作成方式」を実施して、
量産進行に支障を来たさず短期間でサンプル作成が可能となりました。


このセル生産方式は、一朝一夕で出来上がるものではありませんが、
これからの生産方式としては必ず有効になると確信しています。

その時の為に、少しでもお役立ち出来れば・・・と今回長々と述べました。

ご参考になれば幸いです。

弊社は、「セル生産のさらなる進化発展」に向けて日々努力を続けます。
ラベル:セル生産 縫製
posted by ミズミズ at 03:30| Comment(0) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月24日

アームホールのアイロン処理

11/24(火)    今週は稼働日数少

以前、縫製で上がった製品を見ていて気付いた点がありまして
その問題点を解決し、各縫製スタッフにフィードバックして
改善した箇所があります。

表袖付けの際、縫い方向によってアームホールにイセ分量落ちによる
シワが発生しやすくなります。
左袖前部分と右袖後部分にその症状が見られるのですが、その改善方法を
チョコっとお見せします。

※これは普通のプレタ工場では、当たり前の作業だと思いますが。

※但し前提条件として、袖ぐし縫い〜ぐしアイロンは施す。


【袖ぐりの前・後を同時進行】


縫製後...

091119_0909~FAH前-0001-0001.jpg 091119_0907~BAH前-0001.jpg

矢印部分に、浮いているシワが見えます。
このシワが、表に凹みシワとして現れます。


袖ぐりにアイロンを入れる 

091119_0910~FAH中-0001.jpg 091119_0907~BAH中-0001.jpg

アームホールの形状を伸ばさないようにアイロン台にセットして、
袖ぐりの釜底から必ずショルダーポイントに向けてアイロンを入れます。
逆方向にアイロンを掛け易いのですが、そうするとイセ分量が全て
落ちてしまいます。


アイロン後...

091119_0910~FAH後-0001.jpg 091119_0908~BAH後-0001.jpg

縫製後にあったシワが綺麗に消えました♪。


その処理をしたジャケットです。。。


091119_0911~JKF.jpg 


先代の社長がよく言っていました。

袖は、鱈の腹のようにふわっと被ってくるものだ

と...


★こちらは、同じ処理をしたメンズのジャケットです。

091119_1155~メンズJKF.jpg 091119_1152~メンズJKB.jpg

サンプル段階ですが、後ろのイセ分量が多すぎますので、
サンプル提出時に報告いたします。
posted by ミズミズ at 00:00| Comment(0) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月07日

【本日の課題/其の壱】の解決策

10/7(水)    立大同級生Wお誕生日おめでとう♪


(前日の記より...)

早速、朝イチから課題解決方法を実践しました。

(バイヤス地のオーガンジーは、アイロンで伸ばすと約半分の細さになります)


091006_0855~オーガンジーテープ.jpg


A.コードを入れて縫う。


091006_0856~コードを入れる.jpg

◆結果・・・×
  
思いの外、不揃いです。。。


B.紙で包んだ状態で折り、押さえミシンをする


091006_0859~紙包み.jpg

◆結果・・・○

但し、手間がかかります。


オーガンジーテープの精度としては、Bが正解なのですが、
その手間を省く為に、さらに考えました。。。

B.よりもっと簡単で、同程度の精度を保てる方法はないか・・・

身近にありました。

コレです。


091006_1504~一時硬化剤.jpg


[一時硬化スプレー]です。


こちらの硬化持続時間は、約半日。
アイロンなどの熱を加えると、元に戻ります。

通常は、ほつれやすい生地の裁断パーツの断面にスプレーして、
パイピングや折り伏せなどの縫い代始末を容易にする目的で
使用していますが、素材を固定するという観点から試しに使用したところ、
結果うまくいきそうです。


検証A.B.は経験値として残った次第。
ラベル:縫製技術
posted by ミズミズ at 04:30| Comment(0) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月06日

【本日の課題/其の壱】

10/6(火) マロンのパンは美味しい


今までにBlog内でも、課題提示していますけれど

(とある展示会サンプルのジャケット)

平地のオーガンジーからバイヤス取りしたテープを、二つ折りにして
襟〜フロント周りに挟み込む仕様です。

そのテープの幅出し・波打ちに問題あり(難易度超高し!!)。


何か良い方法はないかと、糸偏のプロ達に聞きまくった結果、
何種類かの案をいただきました。

要するに...
そのオーガンジーテープを、如何に安定した形状に加工出来るか。。。
です。

本日、伝授された方法を、早速実践してみます!!。

はたして満足出来る結果が出るかどうか、実践あるのみ。
ラベル:縫製技術
posted by ミズミズ at 00:18| Comment(0) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月24日

日々検証

4/24(金)  TV取材は来週月曜日に決まり!!

最近、率先して検証しています。

昨日は「縫い代のツレ」と「袖のくせ取り」の検証を...

対象製品/裏無しパイピング始末のジャケット
打ち込みが多い硬い生地・縫い代片倒し・ウェストがシェイプ
(※量産進行品につき画像無し)

ウェストシェイプ部分の縫い代のツレ

下記3通りのアイロン処理を実施。

@縫い合わせ前にくせ取り
A縫い合わせ後に縫い代を伸ばす
Bパイピング始末後に縫い代を伸ばす

[結果]
・予想通りB→A→@の順番で、縫い代のツレは減少。
・それでもウェストに縦地の目が通る為に、さらなる工夫が必要。
(総裏ならば、縫い代に切り込みを入れる方法もとれるが...)
>1mmだけ縫い代を削ってツレを軽減。

※[くせ取り]については"コチラ"をご参照下さい。


袖のクセ取り

パターンを見ると、山袖と下袖の形状よりかなり深い位置までくせ取りの
アイロンを入れないと、上手く袖が仕上がらない模様...

下記3通りのアイロン処理を実施。

@深めにアイロンを入れてくせ取り
A縫い合わせ後にくせ取り
B縫い合わせ後もそのままアイロン処理

[結果]
・こちらも予想通りB→A→@の順番で、袖のカーブが生まれます。
・結論としては4cm程、深めにくせ取り処理が必要。

※[袖作り]については"コチラ"をご参照下さい。


日々、素材・デザインが変化します。

故に日々、検証が必要です。

その事を再認識しました。
ラベル:くせ取り
posted by ミズミズ at 00:54| Comment(2) | TrackBack(0) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月15日

熱可塑性の応用/裏地編

4/15(水)    右肩痛!!

【レディースのベスト作成においての問題点】

後見頃が裏地の2枚仕立てになっています。
メンズの場合はスレキなどの固めの素材を使用するのですが、
今回は裏地を使用しまして展示会サンプル時より"縫い代のピリツキ"が
問題となっていました。
縫い代片倒しならば、キセに隠れて多少のピリツキはカバー出来ますが、
割り始末ですとモロにピリツキが目立ってしまう厄介者。。。

そこで...
前回検証した[熱可塑性]が応用出来ないかと、昨日から準備を始めた次第。
昨日の段階で、裏地の生地構成(コンポジション)情報をもらって
[キュプラ80%・ポリエステル20%]であるコトが判明!!。
キュプラ100%だと熱可塑性がないのですが、ポリエステル20%を含む
素材ですので、熱可塑性を応用してみました。。。

※裏地縫いに合わせた糸の種類・番手と糸調子は、基本です※

裁断されたパーツを、中間アイロンを当てて熱処理します。
そして縫製〜割りアイロンをします。

普通に縫った未処理のパーツと比較すると、一目瞭然です☆★☆★。

090414_0923~未処理.jpg 090414_0923~熱処理.jpg 

通常の作業で、カーブのキツい部分などをそのまま片倒しアイロンを掛けると
シワが寄ったようなピリツキが発生してしまうので、
一旦縫い目にアイロンを入れてから片倒しアイロンを入れていますが、
今回は縫う前にアイロンで熱処理をしました。

手はかかりますが、品質を向上させる為にはかける手間も必要かと。

お試し下さい♪。
ラベル:熱可塑性
posted by ミズミズ at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月31日

工場泣かせの[縫い代アタリ対策]

3/31(火)  マジで凹む日もあるもので

東京コレクション・ウィークが終了しました。
でも、これから開催される展示会が本番です。
どれだけ多くのバイヤーを呼び込めるか。
彼らの服にメッセージはあったか。
そのメッセージは誰かに届いたのか...
(by逆鱗)

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先週は、当Blogもコレクション記ばかりでしたが、その間にも社内では
様々な問題が発生していました。
(まぁ毎日がトライ&エラーですが...)

その中でも発生した工場泣かせ問題と、その対処方法を一つ。。。
↓      ↓      ↓      ↓      ↓

難素材の一つである"ブラックフォーマル"アイテムを作成しました。
得意先からも、難しい素材であるとの事前情報がありましたが、
作成してみると本当に大変でした!!。

何が大変って...縫い代のアタリです。

アイロンを浮かして掛けてみても、薄っすらとアタリが出てしまう厄介者。
かと言ってアイロン処理をしないと、縫い代やダーツが割れ(倒せ)ません。
同じブラックフォーマルでも、バックサテンなどの素材は課題を克服して
難なくこなせるようになりましたが、とにかく今回の素材は非常に難しい。

そこで...
糸偏に携わるプロフェッショナルに電話を掛けまくり、相談しました。
そして...
様々な対処法が判明しました!!。

【従来の対処法】

1.アイロン台に、アタリ防止の"テフロンマット"を敷く。

090318_1022~テフロンマット.jpg

2.アイロンに裏地を巻く。

090318_1021~アイロン当て布A.jpg

【新対処法】

☆★☆生地構成の特性を理解した上で、各工程で対処する☆★☆

今回の難素材のコンポジション(生地構成)は"ポリエステル100%"。
エステル染色をする際の温度は180℃だそうです。その後に表面に光沢を出す
後加工処理は、80℃から温度を上げて100℃近くで完了するとか。
アタリとは、加熱により素材の凹凸がフラットになってしまうコト。
天然繊維ならばその後の様々なテクニックで復元するコトも可能ですが、
この化繊素材に関してはそのテクニックは通用しません。

ポイントはただ一つ...熱可塑性を考慮するです。

※熱可塑性:熱を加えるとその形状が固定される性質。

理論上、後加工温度より低いアイロン温度ですとアタリは出ませんが、
100℃より低いアイロンはありません。

(そこで"熱可塑性"を利用して...)
ローラー式接着プレス機を125℃に設定して、素材自体に熱を加えます。
所謂「地のし」と呼ばれる簡易素材収縮の方法を用います。

(その上で、上記【従来の対処法】を併用します)

[2.アイロンに裏地を巻く]は、素材に直接蒸気を当てないというコトと、
アイロン温度を低下させるという効果があるようです。

(早速、部分縫いを用いてテスト開始...)

090318_1023~テスト用生地.jpg

割りアイロンとダーツ倒しアイロンを試します。

■気を遣わず普通にアイロンを掛ける。

090318_1100~ダーツアイロン普通に.jpg 090318_1100~割り普通に.jpg

ばっちりアタリが出ました...

上記対処法を用い、気を遣ってアイロンを掛ける。

090318_1101~ダーツアイロンテフロンマット.jpg 090318_1100~割りテフロンマット.jpg

アタリは出ません♪。


是非お試し下さい。

※今回情報をいただいた二友会の精鋭の白石さん・辻さん・黒子さん、
そしてお忙しい中を素材メーカーまで遡り調べていただいた講師"K"サマ、

本当にありがとうございました!!

【追伸】

こういうモノも教えてもらいました♪。

090319_0937~アタテカトール.jpg

[アタテカトール]と言います。





posted by ミズミズ at 02:07| Comment(6) | TrackBack(1) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月23日

第8回技術研修会(最終回)-A

9/23(日)  夕方は曇り...雨雲っぽいです。

<第8回技術研修会-@の続き...>

中とじ
☆肩とじ...
肩線をとじる場合は、固い方(大体は前肩)をとじます。
※メーカーによっては、前後の肩線をダブルでとじる場合もあります。

☆釜底とじ...
釜底から前後3cmずつ合印を合わせながらとじます。
釜底とじ.jpg

☆山肩とじ...
S.Pから前後2cmずつ、ゆるみを持たせてとじます。

※背抜きの場合、必ず裏地の"落ち"が出ますので、切替先をとじます。

[★参考に袖ぐりを1周とじます]
・袖ぐりを1周とじる事により、アームホールが安定して
袖裏がダブつかずにキレイになります。
・なじみを良くするには、袖裏(アームホール)をまつりますが、
ミシン縫いの場合は、空き部分として袖裏部分や袖口などが
あります。
※ある工場では、アームホールの上部2/3はミシン縫いをして、
残り釜底1/3をまつる方法を採用しています。

☆脇とじ...
ウェストを"またがない"位置をとじます。
必ず"とじは脇"と限定せずに、全体の裏のバランスをみて
とじる位置を決めます。

☆裾まつり...
ヘムの真ん中をまつります。4cmヘムの場合は2cmのところをまつります。


仕上げプレスアイロン

★仕上げアイロンは、中間アイロンの延長線上にあります。
アイロンを掛ける方法は、各パーツの割りアイロンの要領です。
☆裾は右に置き、下から上へとアイロンを掛けます。
☆身頃は手前にたたみ、右前身頃から掛けます。

<アイロンを掛ける順番↓>

@アームホール裏側から、釜底にアイロンを入れます。
dグAC@.jpg

A袖付け線を決めます。

B下袖の地の目を真っ直ぐに通しながら、袖にアイロンを入れます。
dグACA.jpg

C前肩部分はダーツを外してセットし、出来るだけ平らな面をプレスします。
dグACB.jpg

D後肩はしっかりとアイロンを入れてコロシます。
dグACC.jpg

E前端線の地の目を通してアイロンを入れます。
dグACD.jpg

F脇身頃
G後身頃と中間アイロンの要領でアイロンを入れましたら、
左身頃も同様に、前身頃から順番にアイロンを入れます。

H衿周りをセットします。
基本的にはパターンで形状が決まりますが、素材によっては
アイロンテクニックで、メンズ寄りorレディース寄りに
アレンジできます。

YEfB[X.jpg
(向かって 左側/メンズ仕立て 右側/レディース仕立て)


【研修後記】 
約3ヶ月に亘る「技術研修会」が、終了しました。
まずはスタートにあたり、どのような内容でスケジュールを組むか、
またどのメンバーを対象とするか...などを検討しましたが、
全員が同時に、一から服作りを学べる汎用性のある内容を講師の
K氏と決めました。
計8回に亘って[1着の服]が完成しましたが、初めて聞いた見た内容、
忘れていた基本、応用すべきテクニックなど、各スタッフにとっても
大いに勉強になりました。
セル生産にとって大切な多くのコトを習得しました。
大切な事は、どれだけ技術の引き出しを持てるかという事です。
その時々に、その素材・デザインに応じて引き出しを開けてテクニックを
駆使する。。。
そういう服作りを今後も目指していきます。

参加したスタッフの皆さん、お疲れ様でした。

そして講師のKさん、

本当にありがとうございました。


posted by ミズミズ at 18:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第8回技術研修会(最終回)-@

9/23(日) 曇り、涼しい風が吹く心地良い朝です♪

[本日の血圧 126mmHg/83mmHg...微妙に低下]

(昨日)
第8回技術研修会が開催されました。  (全員参加)

今回の研修会で、いよいよジャケットが完成します。
本日の内容は...
「肩パット付け」〜「中とじ」〜「仕上げアイロン」という流れで
完成を目指します。

※前回の復習[衿付け]と、[棒衿]と[釜衿]の違い

☆[衿付け]...
衿の付け止まりは、表衿と地衿でズレる...というコトを意識しながら付けます。
表衿を先に付けて、地衿が吹き出ないようにします。

☆[棒衿]と[釜衿]の違い...
今回はレディースに多用される[棒衿]を用いましたが、メンズに用いられる
台(月)腰衿を切り替えた[釜衿]を紹介します。
v.jpg
表衿を展開し、クセ取りをしながら首に添うような衿になります。
_.jpg
(上/釜衿 下/棒衿)
※衿作りに関しては、また別の機会に触れたいと思います。

肩パット付け
肩パット付けで、服のイメージが大きく変わります。

pbgt.jpg

※肩パットは、第6回技術研修会で調整したしたものを使用します。

☆ゆとり分量...
肩パットを付ける際、身頃外周り分のゆとりが必要になりますが、実際の
作業では、Rを逆にして付けなければいけません。
そのまま付けると足らなくなりますので、表身頃に5mmほどゆとりを入れて付けます。
pbgt.jpg
さらに後身頃が落ちないように、+5mmゆとり分量をつけます。
肩・後中心に肩の運動量のゆとり分を入れましたが、アームホール側からも
イセを入れて、ゆとり分量を確保します。
※但し素材により、ゆとり分量を調節します。

☆運針...
運針は返し針で、針はまっすぐ落として通します。
ゆとりの余った部分を刺していきます。
pbg^j.jpg
刺す場所は、縫い代の真ん中を止めます。あまり際過ぎると、糸の締まり具合
によっては、パット先が広がってしまい後工程で処理が難しくなります。

※遡りますが、裄綿付けの際に、袖付け線が多少曲がってしまっても
修正しながら裄綿を真っ直ぐ付けます。
このラインがパット付けの案内線になります。

☆確認...
身頃(袖付け線)をフラットに戻して、身頃に余りが出来るかどうか確認します。
tbg.jpg

☆検品時...
製品の裏側から指を入れてボコボコしていたら、肩パットが平らに付けられた
状態です。
外周り分量をとってパット付けをしますと、裏側のパットもスッキリしています。

Epbgt.jpg

右側が肩パットを付けた状態です。
違いが確認できます。

<<肩パット付けの手の動き>>

@左手の親指と人差し指で身頃のアームホールを支え、
人差し指と中指の間にパットをセットします。
pbgt@.jpg
※この左手は常に固定します。

A右手の人差し指と中指で、パットを持ちます。
pbgtA.jpg

Bグイッとアームホールを曲げて、右手親指で外周りのゆとり分量を調節します。
pbgtB.jpg

(ここで[みんなでパット付け]をします♪)

?pbgt.jpg


※中とじ〜は、あとでアップします。
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2007年09月17日

「第7回技術研修会」

9/17(月)  快晴!残暑厳しい!!

[本日の血圧 122mmHg/84mmHg...まぁ安定しているというコトで]

※9/15(金)の話ですが、昨日アップしている時間がありませんでしたので
2日遅れの本日アップとなってしまいました。。。m(_ _)m


第7回技術研修会  (11名参加)

☆今回は、[衿の後付け]と[前入れ〜前返しアイロン]と
いよいよ最終段階に入っていきます。

※弊社では、両衿をそれぞれ表・裏身頃の先付けして、総どんでん縫いをする
工程を採用しています。
そこでまず今回は、一般的な[衿の後付け]を部分パーツを使用して研修しました。

【衿の後付け】
☆地衿側で1mm控えて縫いますが、衿付け止まりが問題になってきます。
衿付け止まりで地衿はぶつかりますが、表衿はぶつからないで
ちょっとだけ穴が開きます。
t~T.jpg
そのコトを理解し、頭に入れながら縫わないと裏側の吹き出しや
ダブりの原因となります。

☆表衿を先に付けて、地衿が吹き出ないようにします。
tn.jpg
(実地スタート!)

★同時に「衿先付け」の場合の衿付け止まりの問題解決を模索します。

【表衿付け〜割りアイロン】
※前回の講習会時に表衿を付けなかったのは、
この問題があった為でした。
☆ゴージライン〜NP付近までは9mmで縫い、あとは8mmで流します。
t.jpg
☆ツレる部分は、切り込みを入れながら割り(と片倒し)アイロンをします。
AC.jpg

【総どんでん縫い】
★同時進行で模索していた「衿先付け時の課題解決」ですが、
試行錯誤の末、結論を見出すコトが出来ました♪。

[改良点]
@パターン設計時にそれぞれの縫い代設定を以下の通りにする。
a.身返し/9mm+表衿/8mm
b.前身頃/8mm+地衿/9mm
裏側.jpg
(a.表側)
表側.jpg
(b.裏側)

A衿付け止まりを控え分ずらしてセット、付け止まりより2cm離した
ところを仮止めする。
?DY~.jpg

B付け止まりをずらすコトを頭に入れながら衿部分を先に縫う。

以上の縫い方で、衿先付けの総どんでん縫いでも付け止まりの問題点

克服することができました♪。

【前入れ(総どんでん縫い)】
☆上の方式で、先に衿部分を先に縫います。
D.jpg
☆前身頃裾は、内側にふわりと返るカーブを出す為に、パターン設計時に
細かく入れたノッチを合わせて、設定したゆとり分量を内側に入れるように縫います。
O 蕪.jpg
☆裾の縫い止まり部分は、伸止めテープを貼るときにツリ気味に貼りましたが、
紳士服の場合は、身返しを引っ張りながら縫って返り分量を出します。

【総どんでんアイロン(前返し)】

※弊社の場合、ベテランが多いので[もみ出し]でラインを決めていますが、
これは経験(練度)を要するテクニックです。

☆[もみ出し]の場合、目打ちで突きながら少しずつアイロンを動かしていきますので
慣れない場合は「地の目が歪む」「生地が伸びる」「1回のアイロン距離が短い」
などの欠点が表れ、左右非対称になってしまいます。
そこで今回は、一般的な縫い代を「割る」「折る」という作業を取り入れました。
☆片ざらいした縫い代を見ながら、表側に縫い代を折ります。
D.jpg
☆角出しをする場合、左右同じ方向(順番)で折ります。
縫い方向と同じように身頃を回しながら折ると、左右非対称になります。
☆地衿付け止まりの縫い代を8mmほど下に倒して厚みを均等にします。
?AC@.jpg

外見が完成しました。

?AC.jpg
(右袖の裏地がボディに引っ掛かった状態で写してしまいました...
現物はちゃんとストンと落ちていますm(_ _)m。。。)

[中とじ]に進みます。。。

※「中とじ」の注意点!!
ミシンでとじる場合も手でとじる場合でも、必ず縫い代に近い部分を
とじます。
とじ位置が縫い代から離れれば離れるほど、ツレの原因となります。
~.jpg

☆袖の中とじは、必ず袖山から袖口に向かってとじます。

☆袖口を縫って本日の研修は終了です。


(研修後記)
今回で、外見は完成しました。
1つの作業工程をとってみても、様々なアプローチがありまして
その作業の1つ1つに、重要な意味・目的があるコトを毎回実感しています。
実際の作業現場で使用しない方法でも、その方法を知っているのと知らない
のでは大きな意識の差が生じます。
ただ漠然と与えられた仕事をこなすのではなく、
お客様からの要求品質に応えるべく、
様々な引き出しを用意して作成できる...
そういう個々が結集した技術集団を目指して
さらに頑張っていきます!!。




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2007年09月02日

第6回技術研修会

9/2(日) 曇り...やっと過ごし易い朝、久しぶりの遅起き...

(昨日は...)

第6回技術研修会(参加14名)が開催されました。

今回の研修テーマは、「袖作り」「袖付け」です。

【表袖作り】

[袖口折り]
☆今回作成中の袖下部分は、パターン縫い代付けから確認してきた通り
直線ではなくカーブしています。袖口折りの場合も直線部は真っ直ぐに、
カーブの部分は、アイロン先を使って袖口ラインだけを折りクセ取りをします。
NZ.jpg
これは下袖縫いをした後の画像ですが、袖口ラインのつながりが角にならず
なだらかなカーブでつながる様にします。

[山袖のクセ取り]
☆下袖縫いをする前に、伸ばし部分をアイロンでクセ取りします。
形状を崩したくない袖山は右に置いて、バイヤス方向に生地を引っ張ります。
そのあと、折り返り幅(今回は4cm)までアイロンを入れて形状を整えて、
下袖と合わせてラインが合っているかどうか確認します。

★このアイロン作業が袖の形を
決める重要なポイントとなります。


そこで...前回まで何回も教わったアイロンによるクセ取り(ダーツ処理)ですが、
みんなの理解度を確かめる為に、突然1人ずつみんなの前で[実技披露大会]
を行いました!!。見ているのと実際やるのでは大違い。
恐る恐る1人ずつ[まな板の鯉(笑)]になりました。
lnC.jpg
みんなで作業を確認・指摘をしながら進行。「喉元過ぎれば熱さも何とやら...」で
実地を終えたスタッフは、ホッとして鯉から野次馬に変身!!。
「あ〜違うちがう!」「それじゃダメダメ!」と、トリに近づくにつれ
応援(!)が多くなりました(手の震えていた人もいたんですけれどね)。

★ここでK先生の実技見本です。

※1.アイロンは、蒸気孔を考慮して斜めに動かします。
※ポイントは左手の先行動作です。
右手のアイロンの先を支点として、そこから生地のバイヤス線上を
こまめに引っ張っていきます。
生地を伸ばすという意識ではなく、あくまでもバイヤス方向に距離を出す...
という意識で行います。

[下袖縫い&割りアイロン]
☆くせ取りをしないで縫った袖(左)と、くせ取り処理をして縫った袖(右)
の比較です。
NZEENZ? .jpg
くせ取り処理をしますと(右)、縫い目線は真っ直ぐになります。

☆下袖を縫った後、下袖の地の目を真っ直ぐに通しながら割ります。
その際に下袖のアームホール近くの形状を崩さない様に注意します。

(これも動画アップします byK先生)


下袖を割った後も、折り返り4cmまでアイロンを入れて整えます。

?.jpg
これを折り返すと...

下袖割り後(見本).jpg
これで袖の形状が決まります。

※アイロン処理の重要なポイントは、地の目を見ながら作業する事と、
どこまでアイロンを入れるかというアイロンの深さをパターンで確認する...
という事です。

[額縁縫い&アイロン]
☆額縁縫いは深すぎず浅すぎず、角の1針手前で止めます。
zD.jpg

☆額縁アイロンは、カットしないでアイロン割りします。
このような処理で、@お直しが利くA表にアタリが出ない
という利点が生まれます。
zAC.jpg

[ぐし縫い]
☆ぐし寄せミシンは、袖付けの縫い代1cm内の8mmに掛けますが、バイヤス部分は
ぐし寄せしてアイロンでイセ消しをしますと広くなりますので、縫い目線に
合わせるのではなく、バイヤス部分は浅く縫うようにします。

[山袖縫い&割りアイロン]
☆山袖縫いをした後、下袖割りと同様に下袖の地の目を通しながらアイロン割りします。
R.jpg

袖を表に返すと、袖の完成です。
C?({).jpg

下袖のつながりもキレイに出ています。

[ぐし寄せ&イセ消しアイロン]
☆手でぐし寄せをする場合の目安は、縫い代幅1cmで縫い代が折れるかどうか
が目安になります。
ぐし寄せの目安.jpg

☆イセ消しをする場合、平アイロンでも可能ですが今回はウマを使用します。
RCZ.jpg

☆最近は肩幅が狭くなる傾向ですが、その為には袖山に丸みを出さないと
着心地が良くありません。袖のイセを中心に寄せて袖を丸く膨らませます。
Ro.jpg

(それぞれ異なった処理をしました袖をボディに付けてみますと...)

tbgCZ.jpg
※こちらはフラットにイセ消しをした袖です。

oCZ.jpg
※そしてこちらが丸くイセ消しをした袖です。袖山が丸く膨らんでいます。

[肩パッドのチェック]
最近は肩パッドが薄くなってきましたが、固くなってきました。
そこで、「肩パッドが製品に合っているか?」という問題が生じます。
それぞれのデザインに合わせて肩パッドを成型しているわけではないので、
袖付けをする前に相性をチェックする必要があります。

☆1つの目安として...
pbh.jpg
肩パッドに定規を当ててみて、肩先部分の刳れ方を確認します。
1.5cmほど刳れていると馴染みが良くなります。

実際にボディに付けて仮止めしてみますと...
pbht.jpg

肩パッドはイセ気味に付けますが、アームホールに合わせて出来るだけ
長い距離を止め付けて「抱き落ち」を防止します。
※背中の地の目線を確認しながら肩パッドを付けます。

今回の相性ですと...
pbhJbg.jpg
肩パッドを7mmほどカットするか、

pbhNZ.jpg
肩パッドのくせ取りをして、外回り分量を増やします。

[表袖縫い]
★釜底が合ってないと袖の振りがズレて、俗に言う「袖が歩く」という
現象が生じてしまいます。
その対策としては...身頃と袖の釜底を合わせ、カーブが合っているところ
約3cm先から縫い始めます。
☆必ずアームホールは平らに置きます。袖のカーブの離れた分量を寄席ながら
縫います。これがイセ分量になります。
☆袖山ではミシンを止めないで一気に縫います。
DA.jpg

[袖ぐりアイロン&裄綿付け]
☆袖付け後、アームホールに一周アイロンをいれます。

☆裄綿は、アーム掘るの前後をイセながら付けます。イセることにより
袖との間に隙間を空けず、イセ分量を内側から補い「鱈の腹」を確保します。
t.jpg
肩先はイセると内側で余りがダブつきますので、引っ張り気味にイセずに付けます。

[裏袖作り&裏袖縫い]
☆裏袖を縫い、袖口折り、縫い代片倒しアイロンをして返します。

☆裏袖縫い(付け)は、出来るだけ長い距離を作り(保ち)ながら縫います。
D.jpg


(研修後記)
今回の研修で袖付けまで完成しました。
実際の日常での作業で、すぐにでも活用できるテクニックです。
K先生はメンズにも長けていますので、今回量産で投入された
メンズ仕立てのレディースの作成の際にアドバイスをいただき、
問題なく仕上がり大変助かりました。
現在本格的な[メンズジャケット]の作成依頼も来ています。
現有機械で「八刺し」をしたりなどのアドバイスも受けまして、
さらなる取り扱いアイテムの領域拡大を目指します♪。
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2007年08月12日

「第5回技術研修会」

8/12(日) 本日も快晴の真夏日!!。朝マックの往復も一仕事。

[本日の血圧 128mmHg/88mmHg...毎日、胡麻麦茶♪]

(昨日)
「第5回技術研修会」の開催です。
参加12名。研修内容も縫製実技に入って2回目となりました。

まずは、前回の復習「フラップ」からスタートです。
【フラップ】
角の丸みをきれいに出すには、ゲージを乗せてトリコットなどの薄い素材で包むように
アイロンをしますと、きれいに簡単に丸みが作れます。
tbvAC.jpg
前回の講習で触れましたが、フラップ身返しをバイヤスにとり、
tbvn.jpg
付け側を引き上げますと、角のハネ防止になります。
tbvnlh~.jpg

【袖ぐりテープ付け】
袖ぐりに、こはくテープをミシン付けします。
e[vt.jpg
こはくテープは伸縮性がありますので、アイロンで縮めてから使用します。
脇入れをした後に後袖ぐりにテープを付けますので、後ろ側はふらしにして、
必ず前からテープを付けます。その為、下前身頃は表側に、上前身頃は裏側にと
左右逆側にテープを付けます。
※テープ貼りの場合は、貼った後に縮んだかどうかを必ずパターンで確認します。

【後中心】
(後中心地縫い後〜)
[クセ取り]
アイロンで縫い線が真っ直ぐになるようにクセ取りをします。中心割りをする際に
背中の高さ分を広げる必要がないようにクセ取りをします。
S.jpg
斜線部分は絶対に伸ばさないようにします。その為、伸ばしたくない部分は
右側に置くようにします。
S?.jpg

[中心割り〜衿ぐりテープ貼り]
衿ぐりテープ貼り.jpg

★ここで問題が発生しました。
後中心の衿ぐり部分が山型に飛び出てしまった人が、何人も見受けられました。

[ここでクセ取りのおさらいをします]
クセ取りは、縫い線を伸ばさないようにバイヤス方向にアイロンを動かしながら
それぞれのパーツの半分までアイロンを入れます。
☆アイロンテクニックとして...
@必要以上のスチームは出さない。
A乾熱アイロンで水分を乾かす。
Bバキュームで温度を下げる。
※アイロン動作は、叩くように。
「アイロンと過去は引きずらない(笑)」 

【表脇入れ】
基本としては、裾から縫い上げます。
e.jpg
上前身頃を上から縫うと、ウェストから下の前身頃が伸び易くなります。
☆対処法としまして...
これから縫う先の布目(地の目線)を左手で押さえながら縫います。
※生地端は押さえません。

【表脇割り】
[クセ取り]
ウェストから下のクセ取りです。
EFXg.jpg
ウェストから上のクセ取りです。
EFXg.jpg

[表脇割り]
ウェストから下は、縫い線を真っ直ぐに通して割ります。
EFXge.jpg
ウェストから上は、脇身頃の形状を崩さずに割ります。
eVGbg.jpg

【表肩入れ】
[後肩のイセ処理]
以前の研修会の「パターン縫い代付け」で付けたノッチ間に、ぐし縫いをして
イセころしアイロンをします。
CZAC.jpg
肩線はダーツ分量分のカーブ形状になり、前側に回るようになります。
後肩にイセがあることにより、袖ぐり・後中心・肩の三方向から背中の高さを出します。

[表肩入れ]
イセ分量が多いと、左右でバラつきが発生します。
その対処法としまして...
@ノッチ(合印)の数を増やす。
A背中を上にして肩入れをする。
肩入れ.jpg  

[表肩割り]
肩先の前に回す分量を作るために、左右共にネックポイントから肩先にかけて
アイロンを動かします。
AC.jpg
アイロンのウマのどの部分が形状に合うか、カーブを有効活用しながら
身頃をセットします。
肩割り.jpg 

【裾上げ】
ヒップのゆとり分量をたたみ、フラットな状態で身頃を広げます。
グO.jpg 
裾線のつながり良く裾上げをします。
グ.jpg 
前工程で先に裾上げをした場合でも、表脇入れ&割りをした後に身頃を広げて
裾線のつながりを確認・修正をします。

【地衿付け】
[衿腰テープ付け]
返り線の3mm下に、こはくテープをミシン付けをします。
ne[vt.jpg
デザインにより、衿を首に据えるか寝かせるか、テープをイセて
付ける事で調整します。
伸び防止にテープを貼り、付け止まりに印を付けます。
地衿テープ貼り.jpg

[地衿付け]
身頃の形状を崩さないように、衿をたたみながら地衿付けをします。
nt.jpg

[地衿割り]
地衿付け同様、必ず身頃が平らになるようにセットしてアイロン割り
をします。
n.jpg
衿・ラペルの縫い代部分を、上がりで折ります。


裏作りは次回研修会までの宿題となり、9/1(土)の第6回技術研修会では、
表衿付け〜前入れと、さらに工程は進みます。


「研修後記」
研修も後半折り返しとなり、だいぶスムースな進行となりましたが、
講師の方の説明の後、実際に作業を実施してみると思うように手が
動かない場面が多く見受けられました。
また、体験した内容を見よう見真似で、実際の現場で誤った動作を
してしまうケースも出てきました。
さらなる理解度の徹底を促していきたいと思います。



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2007年07月29日

技術研修会奮闘記

7/29(日) 薄曇りながら、気温は高し!!

本日は、参院選の投票日です。みなさんの持っている1票を無駄にしないように!!。
投票する候補がいなくても、投票所に行って正々堂々と無記名で投票すべし!!。
何年か(何回か)投票に行かない輩の選挙権は、剥奪すべし!!。

右色強く書き始めてしまいました。

(昨日の研修より)
本格的に、ペアによる研修がスタートしました。
ここで簡単に紹介しま〜す。

[外舘&塩島ペア]
O&yA.jpg
☆今回欠席が発生したので、急造ペアとなりました。
普段は裁断の塩島さんも、一生懸命頑張っています。

[菊地&木村ペア]
en&yA.jpg
☆ちょっと口を挟むと...「だから〜」と数倍の逆襲に会います。
妙なところにコダワルお姉さま方(笑)

[主任&佐々木ペア]
XvwyA.jpg
☆やはり夫婦の絆は強い!!。ペア決めのクジ引きでも見事ペアに
なりました。
息の合った(?)作業進行です。

[山谷&今田ペア]
RJ&cyA.jpg
☆暑い!暑い!と扇子で扇ぎながら研修を進める宴会部長。

今田さんとのペアで、普段の倍の絶舌調!!。

[小池&柳橋ペア]
r&yA.jpg
☆今までの研修を見ていて、理解度は高し!。但し、実践は初級レベル故に
普段唯一(三かな?)タメ口を聞く小池さんは、ここぞ!!とばかりに
イジリ甲斐あり!!。

[浅野&吉川ペア]
&gyA.jpg
☆「あっ!TVに出ていた職人さんだ!!」。
そう浅野さんは、クワバタオハラのオハラさんと対決したのです。
コナツちゃんも、チラッと画面に登場していました。
弊社メディア担当(笑)。

[多田&吉敷ペア]
c&g~yA.jpg
☆最後に登場!。
縫製実践編に入りまして、攻守交替しました。
前回までのパターン研修の際、シャープペンを持って来い!と言ったのに、
毎回鉛筆を持ってきてイラつかせた多田さん。どうなる事かと思ったけれど
キッシーのカバーもあって何とかクリアしてきました。
これからはキッシーをカバーして引っ張ってきて下さい。

そして本日欠席の篠木さんが、このメンバーに加わります。
?.JPG
(卒業アルバムの撮影当日に欠席した生徒のように(笑))

このメンバーで、研修会も折り返し後半戦、頑張っていきます♪。
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2007年07月28日

「第4回 技術研修会」

7/28(土) 晴れ...本日も真夏日突破か。。。 
[本日の血圧 139mmHg/91mmHg...足して2で割ると、ちょうど上限いっぱい]
[本日の社内湿度 45度]

本日、「第4回技術研修会」を開催します。

今回よりいよいよ縫製の実践に入ります。
(9:00)
前回の研修会の後、宿題となり各自頑張って作成した裁断品を
持参して、集合しました[参加14名]。

【前身頃テープ貼り】
☆出来るだけテンションのかからないフリーな状態でテープを置いて、
上から押さえるように貼ります。
☆フロントの地の目がストレートな部分は、生地を引っ張ってみて伸びなければ
テープは貼りません。
テープ貼りは縮みの原因になりますので、必要のとしない部分は貼りません。
☆今回は縫い代を外して、テープを貼ります。
☆ラペル返り部分はテープ貼りを抜きます。
☆裾周りのカーブは、ハネ防止の為に身返し付け線よりも3cm程長めに
テープを張り気味に貼ります。
※前入れの際に、イセた分だけ身返しを引いて縫います。
前端テープ貼り.jpg
☆返り線は、1cm離して3〜4mm吊り気味にストレートテープを貼ります。
※この目的は、返り線が浮かないようにする事と、バストの高さを補う為です。
返り線テープ貼り.jpg
☆カーブ部分のテープの貼り方は、外周り部分を半分だけ貼ってから
内周りの余った分を、アイロンで押さえ込みます。
☆ハーフバイヤステープは、以前は12°が主流でしたが、支えにならないので
最近では角度を立てた6°が主流となっています。

【ミシンの調整】
[下糸の調整]
☆まず重要な事は、下糸を巻き取る時のテンションです。
固めに巻いてあるボビンは糸が伸びていますので、後で伸びが戻ると
ピリツキの原因となります。
☆テンションの目安としては、市販の糸を爪で押した固さが1つの目安となります。
糸巻きのテンション.jpg

[上下糸のバランス]
☆生地をバイヤスで縫って糸が切れなければ、上下の糸調子は合っています。
糸が切れた時、切れた糸の方が短いので、それを参考に糸調子を合わせます。
※JUKIでは、切れた糸を解いて計測しているそうです。

[押さえ圧]
フリーの状態で生地を縫い合わせ、そのズレを確認します。
その対処としては、押さえ圧・送り歯の高さの調整や、引き縫いが挙げられます。

【ダーツ】
[ダーツ縫い]
☆当て布を使用し、ダーツ先の消し込み・返し針の縮みを防止します。
☆パターン上でダーツ線は直線ですが、ラインの繋がりを考慮すると

ダーツはカーブに縫わなければなりません。
生地を支える左手の中指と薬指で生地を引いて、直線に縫います。
「程よいカーブを自分の指で作ります」
_[cD.jpg

[ダーツ処理アイロン]
☆前端線は、必ず地の目を真っ直ぐに通して、地の目ば狂わない様にアイロン割ります。
☆脇側で、ダーツ分量を半分消し込みます。
_[cNZ.jpg
☆ダーツ先は生地が膨らみ易いので、必ず上から押さえる様に整形アイロンを入れます。
_[cNZ?.jpg

[脇縫い]
☆生地端より1cm手前に針を落とし、そこから返し針で戻り、縫い始めのズレを防ぎます。
eD.jpg

[脇割りアイロン]
☆縫い目線を真っ直ぐに通す様に、生地を伸ばさずにバイヤス方向に引っ張りながら
クセ取りアイロン処理をします。
eNZ.jpg
※アイロンは平らに使うだけではなく、アイロンを傾けエッジを利かせて
イセ込みたい分量を浮かしたアイロンの中に入れて押さえ込みます。
ACGbWpNZ.jpg
☆縫い目線を真っ直ぐに通し、左手の指を先行動作で押さえ込む様に縫い代を
割った上を、アイロンが追従します。
☆アームホール付近の脇身頃(写真斜線部分)の形状は、絶対に崩さぬ様にします。
eACA.jpg
☆ダーツ分量を逃がしながら、アームホールを作ります。
eAC.jpg

[アームホールテープ貼り]
☆パターンでアームホールの形状を確認して、端打ちテープを貼ります。
AHp^[mF.jpg
カーブしていますので貼り難い箇所ですが、縮めてしまいますと袖付けの
イセ分量が増えてしまいますので、注意して下さい。
AHテープ貼り.jpg  

(ここで各ペア同士、ここまでの工程を確認し合いながら作業進行します)

【箱&玉縁ポケット作り】
※今回のポイントは、作成工程で極力アイロン工程を減らした作り方をします。
これは、途中にアイロンが入り形状が崩れてしまう事の防止と、
ミシン⇔アイロンの移動回数を減らす目的があります。
流れ作業ではなかなか実践できませんが、「セル生産方式」でこそ実践できる
作業方式です。

ポケット作り工程表.jpg

[箱ポケット縫い]
|Pbgt.jpg
[玉縁ポケット縫い]
tA.jpg
[ポケット完成]
|Pbg.jpg
※まずはパーツをアイロン処理して、仮縫い押さえを多用する事と、テーブルで
ハサミを使用する事により、移動は3回で済む計算になります。


(所用により16:00で離れましたので、この後の研修会の様子は
後日アップいたします)

[今回の研修を終えて...」
今回からの「縫製実践編」では、普段の作業とオーバーラップする部分ですが、
それでも「忘れていた事」「目から鱗が落ちた事」など、大変有意義な内容でした。
お互いのペアの動作確認、教える事の難しさなどを経験し、ますます
今後の研修会が楽しみになりました。


次回は、8/11(土)開催予定です。
ラベル:技術研修会 縫製
posted by ミズミズ at 06:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月15日

「第3回技術研修会」

7/15(日)  台風4号が列島縦断...関東に接近中!!

(昨日)
9:00より「第3回技術研修会」スタートです(本日の参加は13名)。

今回の研修テーマは「パーツのパターンと裏地パターンの展開〜裁断」です。

まずは、講師の方から6/30のBlog「第2回技術研修会」の校正が入り、
早速、本文を加筆修正しました(ありがとうございました)。

【断面図】
まずは前回補足の勉強会で実施した「工程分析表」の解説と、縫製上注意が
必要なポイントの立体的な断面図の説明からスタートしました。
|Pbgf}.jpg
☆これは、[胸箱ポケット]と[腰玉縁フラップポケット]の断面図です。
この「断面図」は、「工程分析表」と同じく重要で、工程を立体的に表す事により
縫い方の順番や、縫い代の干渉などを整理・確認します。

【パーツのパターン】
「フラップ」
tbv.jpg
☆フラップは表身頃の上に重ねる為、「フラップの前中心が後に逃げやすい」
という問題を生じやすくなります。
その対策としまして、まずはパターンの段階で脇側を5mm高くします。
☆縫い代は、表1cm裏0.8mmとして引き分を設定します。
☆フラップ身返しの地の目ですが、実はいろいろな方法があります。
今回は裏地を使用しますが、フラップの角に正バイが通るように設定する事があります。
そのメリットとしては、角から付け側センターに対角線上に地の目を
通す事により、
角が引き上げられフラップのハネ防止に効果を得られます。
但しデメリットとしては"バイヤスで縫いにくい"事が挙げられますが、
これは裏地に薄い芯を貼ることで対処します。
中にはハーフバイヤスにとる方法を用いたり、また傾斜のきつい[斜め
フラップ]の
場合は、フラップ底に地の目を通して伸び防止に対処したりします。
いずれにしましても、素材&デザインに対応できる「様々な引き出しを
準備しておくコト」が、重要なポイントになります。

※綾織りの素材の場合、綾の通っている方が伸びやすく、左右で伸び方が
異なりますので工夫が必要になります。

「箱ポケット」
|Pbg.jpg
☆表側と裏側で、縫い代分3mmを引き分として調整します。

※縫い代の設定は、重なる縫い代が生地の厚み分によって干渉しないように
設定を変えます。この際に前述の「断面図」があると、理解が容易になります。

【ノッチの入れ方】

☆後身頃と脇身頃の縫い合わせなど、ラインは基本的には原型パターンに近い
同じカーブラインになっています。そのラインを確認しながらノッチを入れますが、
★ここで重要なのが、縫製時点でそのラインが同じカーブなのか否かが
頭に入っていて作業しているか...という事です。
言い換えれば「断ちきりを合わせて縫うだけが正しい訳じゃない!」
です。
そして生地が一番落ち着くところで地の目を見る事も重要です。

「前身と身返しのチェック」
(ラペル返り線より上)
☆身返しを下にして前身頃を上にしてノッチを入れます。
(ラペル返り線より下)
逆に身返しを上にしてノッチを入れます。

※ちょっと話がそれますが、肩に伸止めテープを貼る場合に前肩と後肩の
どちらに貼りますか?。
通常は前肩に貼って、後肩のイセ分量を寄せながら肩入れしますが、
中には後肩に貼る工場もあります。
イセ分量をぐし寄せをしてアイロンで殺しながらテープ貼りをしますので
工程数的には前肩に貼るよりも増加しますが、左右同じ位置にイセが入る
というメリットがあります。

「地衿と表衿のチェック」
※ここで問題が発生しました!。弊社ではミスを減らすために、表衿と地衿の違いが
一目で分かるようにノッチを入れて間違いがないよう区別していましたが、
講師の方から「それではパターンを見る習慣が養われない」と指摘を受けました。
今まで当たり前のように行ってきた習慣も、外部の方から客観的な視点で
見てもらうことにより、欠点が如実に浮かび上がってきます。
一同が反省するする機会を得ました。

※続けてもう1点、弊社ではヘム折り返りにノッチを入れてません。
細かいところですが、この角度が変わる部分、上から縫う場合と下から縫う場合で
ノッチはズレてきます。角度が変わるという事は、そこで針が止まるという事です。
ここでも、そのパターンの形状&意味が頭に描いているかどうかが重要になりました。

【裏地パターンの展開】

表地の運動量に対応するように、伸縮性のない裏地にキセかけ分や、ゆとり量を
設定して、裏地パターンを展開します。
nWJ.jpg
「前裏」
☆表身頃のダーツ処理に関して様々な手法がありますが、今回は以下の手順で展開します。
@表前身頃パターンの身返し線より脇側を写します。
Aダーツ下をダーツ延長線で切り開きます。
Bダーツ止まりで前脇側を2mm開いて、ダーツ量を減らします。
Cバストラインより下の任意の線を引き、その上を身返し線と肩先の中間辺りに
直上した線で3mmゆとり分量を幅出しします。
Op^[.jpg
D身返しとの縫い合わせ分、1cm縫い代を付けます。
E裾に5mm丈出しします。
O.jpg

「後身頃」
☆@バストラインの下、任意の線から直上した線で3mmゆとり分量を幅出しします。
A裾に5mm丈出しをしましす。「脇身頃」も同様に丈出しします。
np^[.jpg
B後中心にキセ分を1cm、ウェストラインより上に付けます。
※多くの場合、ブランドネームを後中心の裏地に付けます。
中にはバカデカイネームを平気で後中心に付ける指示をする人がいますが、
本来機能上はあまり宜しくない事です。

「袖」
アームホールに、折り返り内回り分量を2〜2.5cm入れ、0.5〜1cm幅出しします。

☆下袖の前側、アームホールで2.5cm丈出しして、0.5cm幅出しします。
また袖口でゆとり分を0.5cm出します。
後側は、2.0cm丈出しします。丈出ししたアームホールのラインを引き直します。
☆山袖の前後も下袖同様、但し袖山はゼロ、幅出しは1cmとします。
☆表袖の伸ばし分量を、裏地で同様に伸ばすことはあり得ませんので、
その分はパターンで出します。
☆中止じ用の合印を、ゆとり分0.5cm調整して付け直します。
☆アームホールの合印は、表袖の分量から計算して付けますが、多少位置は移動します。
裏地のバイヤスの地の目部分にイセ分量が多く入るように設定します。
袖裏.jpg

【芯貼り】

☆袖山・背芯を貼る際に...芯を貼った境目を嫌う場合、芯を波型にカットして
目立たなくする方法があります。

【裁断】

☆裁ちバサミを使用する場合は、常に親指に力を入れます。親指を入れた刃は、
支点の先は下刃となりますので、これが安定しないと生地も真っ直ぐに
切ることは出来ません。
☆切られるほうの生地を持って裁断します。ローラーカッターを使用する場合は
その逆で、裁断パーツの方を押さえます。

【本日の豆知識】

指抜きを使用する場合...レディースは第二関節下に、メンズは第一関節下にします。
第一関節の方が、力が入りやすいからのようです。尚、メンズでは
短い縫い針を使用します。


(研修を終えて)
裁断は、各自次回研修日(7/28)までの宿題となりました。
ラインの引き方も皆、前回よりもスムースになり、パターンに対する
理解度も格段に向上しました。
何より貪欲に知識を吸収しようとする姿勢が、前面に表れています。
次回からは縫製の実践場面に入ります。
みんなで頑張って行きましょう!!。











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2007年07月09日

技術研修会補足「工程分析勉強会」

7/9(月) 本日も薄曇り...昨日同様過ごし易し...
[本日の血圧 141mmHg/93mmHg...昨夜美味しいものを作り過ぎたかな]

(9:00より)
技術研修会の補足としまして、現在進行中のテーラードJKの「工程分析」の
勉強会を開講しました。

勉強会.jpg

今回の講師は、なんと”ワタクシ”が務めます。
数年振りの工程分析ですので、事前にあれやこれや思い出しながら
を作成した「基本形」に基づいて、勉強会をスタートします。

まずは記入上の記号の説明から始めます。
○...本縫いミシン作業
◎...アイロン及び手作業
●...特殊ミシン作業

表前身頃の◎各種伸止めテープ貼りからスタート...
簡易工程分析表に、記号と工程名を記入していきます。

表前身頃の作業工程を基本ラインとして、それに合体する各パーツの
作業工程ラインを切り貼りして、時系列を加味した「工程分析表」を
完成させます。

.jpg
(※本当は、本流の左側に合流パーツは持ってきちゃいけないんですが、
分かり易くする為に何パーツか左側に持ってきました。)

これはあくまでも作業タイムを入れてない「工程分析表」ですが、
実際に作るのは皆始めてで、最初のうちは戸惑っていましたが、
すぐに慣れてすらすら書けるようになりました。

さぁこれからが腕の見せ所!!>>>
どの順番で何を縫うかの「割付」を説明します。

弊社の場合は「セル生産方式」なので、縫製ラインに割付をする事はありませんが、
その分、個々の技量(理解度)によりまして作業ロスが顕著に現れます。
初回の「技術研修会」で話のありました

「服作りは、毎日の料理を作る事と同じです」

を再度話しながら、まずはポイントを話しまして、次々回研修会までの
宿題としました。
[ポイントを整理すると...]
@各パーツの○◎●数を数えて全体の比率を見る。
A各パーツの○作業前の◎を、統合できるか考える。
B同一素材で、作業が統合できるか考える。
C同一パーツ内でも、◎及び○作業が統合できるか考える。
です。

初めての講義を終えて、教える(伝える)事の難しさ、各スタッフの
理解度(速度)の違いを、改めて実感しました。
でも、これが重要なコトなんですね。



ラベル:工程分析
posted by ミズミズ at 13:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月30日

「第2回技術研修会」

6/30(土)  曇り...
[本日の血圧 138mmHg/95mmHg...相も変わらず下高し!]
     [本日の社内湿度(始業前) 53度]

昨夜帰宅後、体脂肪計付き体重計に乗りますと...ナントさらに1kgダウン!
そして、初めてと思える低い(少ない)体脂肪の数値が表示されました。
これも「食事前、水1リットル摂取」の成果かと。辛くても続けていきます。

(9:00)
本日は「第2回技術研修会」開催日です。
参加16名。
まずはくじ引きで、2人ずつのペアを決めました。
そのポイントとしては、ペアで講習を進めながらお互いの作業をチェック、
そして説明した内容の把握、他の人の動作を見る、自分の動作を見てもらう
といった点の確認です。

(前回の補足)
「出来上がった製品を着る」
各アパレルメーカー及びブランドによって、それぞれ異なる着心地を実際に着る事で、
肌で感じて下さい。
また同ロット内で、最初に作った服と最後に作った服も、着比べて下さい。
どこか違いが実感できるはずです。

今回の講習会に先立ち、講師の方から「JIS規格/縫製用語集」「CAD表示記号集」
「パターンチェックマニュアル」を頂きまして、希望者に配布する事としました。

いよいよテーラードJKの作成に入ります。

【縫製仕様書作成】

「社内縫製仕様書」に、必要項目を記入します。これはパターン作成から
裁断〜縫製〜まとめに至るまでの必要なデータになります。
メーカー&ブランド名の項目には、自分の名前を記入して下さい(笑)。

uKUA.jpg

【表パターン作成】

T.縫い代の付け方

☆まずは定規の使い方です。縫い代8mmを付ける時は、ちょうど目盛りの数字の下が
8mmになりますので、それを利用して下さい。
カーブのラインの引き方ですが、右手と左手の力を交互に分散できるかで、
きれいなラインが引けるようになります。
また、縫い代に入るまでのラインが直線で引けるか、もポイントになります。

☆縫い代を付ける順番は、実際にパーツを縫い合わせる順番で付けていきます。
特にブラウスなどで袖を、先付け・後付けする場合はおのずと縫い代の形状も
変わってきます。

☆各ラインに縫い代を付ける順番は、
@上がり線を延長する。
A任意の縫い代を付ける。
B止まり及び合印は、上がり線に対して垂直に引く。
です。

★ラインのカーブ形状によって、パーツを縫い合わせる時に上がり線と
縫い代線にズレ(高さの違い)が出てきます。
必ず高さを測り、高さあわせをして下さい。

[前身頃]
縫い代を8mmに設定して、ラペル返り線より下に、引き分量としてさらに2mm足します。

※以下各パーツに縫い代を付けていきますが、何せ初体験が研修会参加者の
大半を占めていますので、最初はぎこちなかったライン引きもパーツを重ねるうちに
徐々に慣れてきまして、皆真剣に黙々と作業に没頭しています。
(by社)

U.合印の付け方

[後身頃]
★衿ぐりB.Cより3cmのところに合印を入れます。
これは後衿ぐりの止めズレを防止と、テープ貼りによる誤差を補正する為です。
サイズが大きくなると、なおさらここの合印が必要となります。

☆ミシンで一気に縫える長さは、針落ちから手で布地を押さえる部分までと
考えても、せいぜい15cmです。それを越える合印はあまり意味がありません。
よってバストラインに1ヶ所、そして着丈及びフレアなどのラインの形状により
ウェストラインの前後にもう1ヶ所合印を付けます。

[前身頃]
★ゴージラインの衿角から1.5cmずつのところに、合印を2ヶ所入れます。
ここは左右でどうしてもズレやすいところなので、細かく合印を入れます。

☆ラペル先は、引き分量がないと反り返ったラペルになってしまいます。
また後衿ぐり同様、テープ貼りによってイセ分量が変わりやすいので、合印も
ラペル角から4cm下と、ラペル返りから5cm上の2ヶ所と、細かく入れます。

☆ラペル返りより下は、三つ釦なので第3釦位置に合印を入れて、さらに
裾に向けてのカーブラインの中間にも、合印を入れます。

☆裾ヘム付けは、身返しより1cm中に入れます。

★脇身頃とのはぎ合わせに、まずウェストラインに1ヶ所とさらにその上9cmに
もう1ヶ所合印を入れます。
後身頃釜下に約3mm程のイセが入りますが、これがないと身頃の「抱き落ち」
という現象が発生します。
パネルラインにはある程度のイセ分量が必要になりますが、どうしても
イセの消しにくい素材は、脇身頃の高さでの調整もあります。
★ここで重要な事は、「ラインの角度により距離の差がイセ分量になる」という事です。
通常、脇同士は同じ高さで設計します。チェック等の柄合わせが必要とされる
素材の場合、イセ分量を変化させるには、高さは変えずにラインの角度を変えて
距離を変化させます。
☆袖ぐりは、カマ底から平行に3cmの高さに合印を入れます。
★腰ポケットの付け位置ですが、パターンを縫い合わせた状態での付け位置ではなく、
ポケット下のダーツ分量を計算した付け位置を設定しないと、ポケット上の
距離が短くなり、結果としてポケットが引っ張り上げられるという現象が起こります。
解決策としましては、まずは上記パターン上の処理と、実際のポケット付けの時に
テクニックを加えますので、その点は縫製時点で説明します。

A[z[.jpg

[地衿]
☆前身頃ゴージラインに付けた1.5cmずつの合印を同じく付けます。
★B.Cより6cm@と衿先Bから4cmAに、2ヶ所合印を入れます。
@〜A間は、外回り分としては一番ゆとりが入る部分です。
またA〜B間も、衿の返り分が入ります。

nt.jpg

[袖]
それぞれ上下任意の2点に、合印を入れます。
★ここでまず重要な事は、「伸ばし分量」です。袖の性質を決定する
重要なファクターですが、その伸ばし分量の増減は...
@袖ラインの形状A上下袖幅の差異で変化します。
伸ばし分量を少なくするには、ラインを真っ直ぐに近づけて、上下袖幅の差異を
少なくします。
★アームホールのイセ分量は、袖の寝起きによって増減します。

CZ.jpg

非常に奥が深い部分なので、詳しくは改めてお話しします。

V.パターンの展開

[身返し]
☆見返し幅は、ポケット口前側との交点に幅を設定します。これは、止じをして、
見返しのゆとり分量を下にダレさせずにキープする為です。
☆縫い代は、前身頃とは逆に引き分としてラペル返りから上に、1cm付けます。
★身返しの地の目線は、今回ラペル端を通すようにしますが、これは主に
紳士服で用いる手法です。
このメリットは、表地の地の目を敢えて狂わす(スコバイ)事で、裏地のツレ防止と
身返しのゆとり分量の確保が挙げられです。
確かに同じ地の目同士ですと縫い易いのですが、身返しのゆとりは、
地の目が通ると吸収できないのです。
☆身返しの縦の展開量は、今回は第2釦位置で平行に3mm開きます。
これはデザインによって展開量を変えたり、平行出しではなく脇側のみを出したりと
様々です。
☆ラペル返り部分の展開量は、まずゴージ角でラペル返り線に対し垂直線を引き、
その後返り線を切り開いて、垂直線方向に2mm平行移動します。
★いずれにしても、実際に使用する生地を2枚重ねて返してみて、そこで
ズレた分量が展開量となります。

[表衿]
☆引き分として、周りに1cmの縫い代を付けます。
☆返り線でカットして、2mm平行移動します。その際に、身返しのゆとり分と
合うかどうか、合わせて確認をします。
N.Pの前後1.2cmから左右合わせて4本の垂直線を引きます。
その垂直線の返り線上の交点を基点として、外回りを2mm開いて付け側を
自然にたたみます。
この場合も身返し同様、共地でのチェックを行って下さい。

WJ.jpg

。。。。。。。。。。。

ここまでのカリキュラムで、予定より1時間を越えてしまいました。
フラップ・箱ポケットなどのパーツ類のパターンと表地裁断は、次回持ち越しです。


今回の講習会の目的の1つに、

「新たな知識を吸収して

作り手側から逆提案する」
...

という重要な点があります。
現状のアパレルは、パタンナーを新人から育てる余力がなく、
中途採用が大半を占めています。
その結果、そのブランドのノウハウも流出し、逆に混合するといった混乱が生じています。
そのようなパターンと常に相対し、ミスをカバーしながら生産するわけですから
並大抵の緊張感と、それを大きく上回る使命感を持って仕事に従事しなければなりません。

しかしその継続が、良品を生み出し、信頼を生み出していくのですから。。。



本日はお疲れ様でした。大変ですが、その目的に向けて次回からも
頑張りましょう!!。


posted by ミズミズ at 12:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月25日

技術講習会

11/25(土)晴れ

本日は、専務の発案により
「みんな 自分で1着作ろうよexclamation×2
丸縫い技術講習会を開催しました。
061125_0856~0001.jpg
ウチの技術の源:専務のもと、意欲ある7名が参加しました。
前々日に佐々木主任が、みんなのために裁断したパーツ一式を持って
スタートダッシュ(走り出すさま)
みなそれぞれの分野ではスペシャリストですが、
丸縫いは初体験。最初の難関[ポケット作り]に四苦八苦あせあせ(飛び散る汗)
何とか難関を乗り越えて、袖付けまで行きました。
061125_1106~0001.jpg

自発的な発案そして参加...ひとりひとりが技術レベルをアップして
これから挑戦していく新しい感性への対応力を培っていきたいものです。
ラベル:技術講習会
posted by ミズミズ at 12:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術研修 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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